生後1ヶ月前後の赤ちゃんでも、目を見つめられながら「おはよう」や「かわいいね」など優しく声をかけしてあげると、機嫌のよいときは「あー、あー」や「あっくー」など声を出すようになります。

生まれて数週間というとても小さいうちから、赤ちゃんはママやパパをはじめとした周りの人間の眼差しや声かけが自分に対して向けられていることを感じ取り、それに応える能力をもっているのです。これがコミュニケーション能力の芽です。

ここでは、新生児期のコミュニケーションの芽を伸ばす、赤ちゃんとのおしゃべり遊びのやり方を紹介しましょう。

 

おしゃべり遊びを楽しもう

赤ちゃんが声を出すようになったら、まずは赤ちゃんが発した音をそのまま真似してあげましょう。抱っこしてやさしく目を見つめながら赤ちゃんとおしゃべりをしているつもりになってください。

赤ちゃんが「あ、あー」と言ったら、同じ声のトーンやテンポで「あ、あー」と返します。

赤ちゃんが「あっく〜」と言ったら、やはり同じ調子で「あっく〜」と返します。

何度か行うと、ある瞬間に赤ちゃんは自分の発した音をそのまま真似してもらっていることに気づき、にこっと笑います。「うれしいね」「たのしいね」など赤ちゃんの気持ちを汲み取って言葉にしてあげましょう。

赤ちゃんは真似してもらうのがうれしくて、次々に声を出すようになります。それもまたどんどん真似をしてあげましょう。声のトーンやテンポ、呼吸を合わせるながらやることで、赤ちゃんとママの一体感が生まれ、お互いにさらに楽しくなります。

なにげない育児のひとコマですが、こうした体験の積み重ねが、「人に何かを伝えたい」「言葉を話せるようになりたい」という欲求へとつながります。

この遊びに慣れてきたら、今度はちょっと変化をつけてみましょう。変化とは、赤ちゃんの発した音にプラスアフファすることです。

たとえば赤ちゃんが「あっく〜」と言ったら、「あっくっく〜」と返します。

もしくは赤ちゃんが「あ〜う〜」と言ったら、「あ〜う〜う〜」と返します。

自分が発した音とすこし違うことに気づくと、今度は赤ちゃんがママやパパの真似をし返してくれます。相手の真似をすると言う立派なおしゃべり遊びの成立です。新生児でもこのように相手の変化に気づいて反応を変える力を持っていることに、驚くママも多いでしょう。

私自身はじめての子育ての際、「生後数週間でこれほどの理解力があるとは!」とたいへん驚いたこと鮮明に覚えています。それと同時に「腕の中に居るこの子は立派な一人の人間なのだな」と非常に感慨深いものを感じました。

 

なぜ社会性が育つのか

おしゃべり遊びを通して、赤ちゃんは声を出す楽しさを覚えます。楽しいと感じるのは、反応が返ってくるからです。しかも、自分が発した声に寄り添った反応であることから、自分を受けいれてもらっている感覚が育ちます。このような感覚を基本的信頼感と呼びます。

基本的信頼感が育った赤ちゃんは、世の中は自分のことを受けいれてくれる安心できる場所だ、という漠然とした安心感に包まれます。この安心感をベースに、自分の気持ちを表現する意欲が赤ちゃんの中で育まれ、やがて指差しや言葉となって現れます。

赤ちゃんの発達は、月齢が進むにつれて自然と進む部分もありますが、環境により引き出される伸びしろの方がむしろ大きいぐらいです。とくにコミュニケーション能力は、受けいれてもらえる環境なくしては育ちません。

おしゃべり遊びは、毎日のちょっとした時間にできるので、ママやパパも楽しみながらどんどんやってあげましょう。