赤ちゃんの便通

一日におけるウンチの回数は、赤ちゃんによって異なります。月齢が低いうちは、一日に3~4回していた赤ちゃんでも、生後半年を過ぎた頃から減ることが多いでしょう。

毎日必ずウンチが出る赤ちゃんもいれば、3日に1回が基本リズムの赤ちゃんもいます。何日か出なくも、それが通常のリズムであり、赤ちゃんの機嫌がわるくなければ、心配しなくてよいと言われています。

便秘だと判断するポイントは、いつものリズムが崩れたときに、赤ちゃんのお腹が固く張ったり、いきんでいる様子があるのにウンチが出なかったり、機嫌が悪くなったりすることです。

ここでは、赤ちゃんが便秘になったときのケア方法について、紹介しましょう。基本的には、大人が便秘になったときと同じように考えます。

 

下半身を中心とした体操を行う

腸へ刺激を与えるために、下半身を中心とした体操を一日数回行いましょう。とくに難しい体操を習う必要はありません。

オムツ替えや着替えのタイミングを利用するとやりやすいです。

赤ちゃんがあおむけになってくれるなら、赤ちゃんの足首をもって、足の付け根から前後に動かしてあげるとよいです。「1、2! 1、2!」などとかけ声をかけたり、歌の節に合わせたりしながら、楽しくやってください。

赤ちゃんの足の裏同士を合わせ、下腹部に向かって小刻みに押してあげる方法もあります。

ハイハイができる赤ちゃんなら、広い場所へ連れて行って、たくさんハイハイをさせてあげましょう。滑り台やボールプールなどがあると、平面とは違った動きができるので、より効果が期待できます。

 

下腹部をマッサージする

赤ちゃんの腸に沿って、下腹部をマッサージしてあげましょう。

赤ちゃんと向かい合わせになった場合、赤ちゃんの腸は時計回りに配置されています。ママの手の平を赤ちゃんの下腹部の中央にあててから、やさしく時計回りに4~5周さすってください。

赤ちゃんの下腹部の左下側(赤ちゃんのお腹を時計に見立てたら、4の数字の当たり)が、一番ウンチのつまりやすい場所です。左骨盤の内側のあたりです。ここを、赤ちゃんが痛がらない程度にゆっくりと押してあげると、排便を促す効果が期待できます。

赤ちゃんのお腹は小さいので、ママの手のひら全体でやさしくお腹を押してあげるだけでも、ある程度のマッサージ効果が得られます。

 

母乳を与えている場合は、ママの食生活を改善する

母乳はママの血液からできており、血液は食べ物からできています。油っぽい食事が多かったり甘いものをたくさん食べたりしていると、ママの血液はドロドロになります。

ドロドロの血液からできた母乳はやはりドロドロしています。味に敏感な赤ちゃんだと、ママが油っぽい食事をしたあとの母乳を与えたとき、飲みながら暴れたりします。

このような食生活をしていると、ママ自身が便秘になりやすいだけでなく、赤ちゃんも便秘気味になることがあります。サラサラな母乳に戻るよう、ママの食生活を改善しましょう。

具体的には、揚げ物や中華料理、クリームソースやチーズを多用した洋食、スナック菓子やケーキ類を減らし、和食中心の食生活に切り替えます。和食中心にすると、自然と油分を減らすことができます。

良質の水分を摂るのもひとつです。たんぽぽ茶、ルイボスティー、番茶、プーアル茶など、油分を洗い流して血液の循環をよくするお茶を利用しましょう。

また、発酵食品を多く摂ると、腸内の善玉菌が増えて便通の改善につながるといわれています。ママ自身が食べたり、離乳食の始まった赤ちゃんなら、赤ちゃんに直接食べさせてあげましょう。

発酵食品とは、味噌、ヨーグルト、塩麹、醤油麹、ぬか漬けなどです。市販の麹菌を使えば、漬け物や料理の下味が簡単にできます。その際、添加物がなるべく少ないものを選びましょう。

 

粉ミルクの種類を変える

粉ミルクを与えている場合は、メーカーを変えると便秘が解消することがあります。今飲ませているものが、赤ちゃんの体質に合っていない可能性があるので、他のものを試してみましょう。

乳成分を含まない、アレルギー体質の赤ちゃん向けの粉ミルクも販売されています。

また、粉ミルクに混ぜる水分量を多めにすると、便通がよくなることがあります。

 

マルツエキスや果汁を与える

マルツエキスという、便秘薬が市販されています。マルツとは、麦芽を意味する英語のmaltsのことです(モルツ、というカタカナ表記の方が、ビール製品の名前にあることから馴染みがあるでしょう)。麦芽糖のゆるやかな発酵作用が、腸の運動を活発にします。

薬に添付された指示に従って、規定量を与えましょう。効果には、個人差があるようですが、身体に大きな害はない薬なので試してみる価値はあります。

果汁を与えてもよい月齢であれば、みかんやプルーンなど、お腹をゆるくする作用のあるものを与えてもよいです。ただし、果物に対するアレルギーがないか、注意して行いましょう。

 

綿棒浣腸を行う 

綿棒浣腸とは、赤ちゃんの肛門を綿棒の先で刺激することで、排便を促す方法です。綿棒の先にワセリンや馬油などを塗って滑りをよくしてから、やさしく赤ちゃんの肛門付近を叩いたり、肛門に1~2cmほど挿入したりします。

赤ちゃんの足の裏同士を合わせた状態にして、ママの片手で両足首をつかんで固定し、お腹におしあてるかっこうにすると、赤ちゃんがあばれづらくてやりやすいでしょう。

また、この体勢により赤ちゃんの下腹部を刺激することができます。綿棒浣腸をしたあと、マッサージするつもりで5~10回ほど、この体勢で足をリズミカルにお腹に押し当てると効果が高まります。

うまく腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発化すれば、しばらくしてからウンチが出ます。

 

浣腸を行う

これらの方法を試しても、どうしても排便できないときは、浣腸を行います。浣腸とは、お尻の穴から薬液を注入し、2~3分ほど体内に溜めた後、排泄する方法です。薬液と一緒に、宿便が出されます。

ただし、自力で排泄する力がつくのがベストなので、浣腸は最後の手段と考えて下さい。

便秘が5日間以上続いて赤ちゃんのお腹がカチカチに張っている、苦しそうで機嫌が悪い、あるいは発熱しているといった場合に、浣腸を適応します(乳幼児は、便秘が続くと発熱することが多いです)。

小児科で浣腸してもらうことができます。初めてでどうやったらよいかわからない場合は、受診して行ってもらいましょう。

薬局で、市販の浣腸薬を買うこともできます。赤ちゃんの体重に応じた大きさを選ぶよう注意して下さい。

浣腸で排便できれば、赤ちゃんの顔色はすっきりし、機嫌もよくなるはずです。しかしここで安心してしまっては、便秘体質が慢性化してしまうかもしれません。上記に紹介した対応方法を生活に取り入れて、なるべく便秘にならないように気を配りましょう。