子どもの自信を育てるには、シンプルに行動そのものを誉める

なにごとにおいても、よく出来た行動そのものを誉めるようにすると、子どもの自信がすんなりと育ちます。

「いい子」や「おりこうさん」といった人格を評価する言葉は、実は基本的な自信(自己肯定感)がゆらぐ要因にもなるので、使わないようにしましょう。

行動そのものを誉めるとは、たとえば

「お片づけが早くできたね」

「お顔の絵を生き生きと描けたね」

「お靴を自分から揃えられたね」

といった言葉かけです。片づける、絵を描く、靴を揃える、といった行動に対しての誉め言葉を添えるわけです。

 

行動を具体的に誉めることで、自己肯定感が育つ

できるだけ具体的な行動を誉めることで、子どもの自己肯定感が育ちます。自己肯定感とは、「自分は大切な人間だ」「自分は生きる価値のある存在だ」「自分は必要とされている」といった気持ちのことです。

もっと簡単な言葉で言えば、愛されている実感です。

わかりやすいように、まずは夫婦関係に置き換えて考えてみましょう。あるとき、パパに「いつも家事をやってくれてありがとう」と言われました。

それでも嬉しいかもしれませんが、もし以下のように言われたらどんな気持ちになるでしょう?

「毎日、朝早くから起きて洗濯を干してくれたり、

疲れているだろうにおいしいご飯をつくってくれたり、

細かいところの掃除までしてくれて

ありがとう」

ふだんの労力が報われた! ちゃんと自分の頑張りをひとつずつ見てくれてるんだ。一生懸命やっていてよかった…。具体的に伝えてもらえると、そう感じてもっと嬉しくなりますよね。

この感覚がまさしく自己肯定感です。

このように、人を誉める時は具体的に伝えた方が、相手を認める気持ちがしっかりと伝わります。

 

適当に誉めても、子どもは満足しない

子どもが「ねえママ、見て見て!」と言う時、何を見せられているのかをよく見もせずに「へえ、すごいね」と適当に言ってしまってはいませんか?

たしかにママは忙しいもの。それでもほんのちょっと意識を子どもに集中してあげましょう。

そして、「わあ、ママの絵を描いてくれたんだね。髪の毛の感じがよく似ているね!上手に描けたね。」などと具体的に誉めてあげてくださいね。子どもは「ママは自分が頑張ったポイントに気づいてくれた。ちゃんと見てくれて、うれしいな!」と、こころがママの愛情で満タンになります。

子どもはいつでもママからの愛情を求めているもの。

だからこそ、適当に「へえ、すごいね」と言われたのでは満足できません。満足できないと、何度もしつこく手を変え品を変え「ママ、見て見て!!」と言ってきます。

何度も言われるとだんだんママもイライラしてきて、「ちょっと後にしてって言ってるでしょう!」と最後には雷を落とすことになりかねません。ここで子どもが感じることは、「やっぱりママは自分のことなんてどうでもいいんだ」です。

これでは、せっかく誉めたとしても無駄になってしまいますよね。

ふだんから行動そのものを具体的に誉めることを心がけれれば、お互いに満足してやすくなり、いろいろなやりとりがスムーズになりますよ。

また、子どもがしつこく「見て見て!」と言ってきたり、「なんだかやけに子どもがぐずるな」と思ったりした時は、このことを思い出して誉め方を改めるチャンスです。

 

具体的に誉めようと思うと、子どもをよく見るようになる

子どものやっていることや行動を具体的に誉めようと思うと、必然的に子どものことをよく観察するようになります。そうしないと、具体的に誉めるポイントがわからないからです。

その結果、子どもへの目線が自然と細やかになるんですね。

 「ああ、ブロックで新しい繋ぎ方をしようと頑張っているんだな」

「ママを喜ばせようと思って、折り紙作品を大量生産しているんだな」

「お姉ちゃんへの憧れから、同じように字を書こうとしているんだな」

などと、子どもの心の動きをキャッチできるようになります。

こうしたママのあたたかい眼差しを子どもは自然と感じ取ります。ママが自分を見守ってくれている安心感は、子どもの心をやさしく包み込みます。

その上で具体的な行動を誉めてもらえたら、子どもは「ママは自分のことをよく見てくれている。自分を愛してくれている」という実感をさらに確認できます。

このように子どもの気持ちが満たされていると、ママの声かけに対する反応がスムーズになります。「自分のことを大好きだと思ってくれているママだから、ちゃんと言うことを聞こう」という素直な気持ちが働くからです。

ママの方でも、わが子の気持ちに寄り添うことが増えて、「こんなことを考えているんだな」といった発見も増えるでしょう。そうすると子どもの一挙手一投足の意味を読み取ることが前よりできるようになり、かかわりやすくなります。

子どもの行動を具体的に誉めるように心がけると、こんなふうにお互いを大切に思う気持ちが通い合い、親子関係によい循環が生まれるやすくなりますよ。

ここで思い出す事例を紹介しましょう。

先日、4才の息子をもつママから「子どもが反抗的で困っている。育児に疲れてしまった」という相談を受けた際に、この誉め方のコツをお伝えしました。2週間後にまた会った際、このように報告してくれました。

「具体的に行動を誉めるというのは、やってみたら意外と簡単でした。

しかも気づいたら最近前よりもすんなりと言うことを聞くようになってきたんです。すごいですね!

私も前よりも子どもをかわいいと感じるようになりました。」

子どもがすんなりと言うことを聞くようになったということは、ママが自分を認めてくれていると感じられるようになったということですね。

しかも、育児ストレスの高かったママに、子どもをかわいいと感じられる余裕が出てきたのも本当に嬉しい変化です。親子関係の修復の糸口は、こんなふうに日々のちょっとした関わり方に隠れています。

子どもの行動を具体的に誉める方法を、ぜひ今日から始めてくださいね。