一昔前までは、離乳食のはじめごろに果汁を与えたり、すりおろしたりんごを火にかけてから食べさせたりしていました。果物には自然の甘みがあることから赤ちゃんや子どもは喜んで食べてくれることが多く、ママにとっては助かる食品です。

しかし、最近では果物に対してアレルギー反応を起こす赤ちゃんや子どもが増えています。

 

果物アレルギーの原因は、花粉症にある

アレルゲンとなる果物を食べると、唇や舌、または口の中全体にかゆみやイガイガする感じが比較的すぐに引き起こされます。果物に対するアレルギー症状は、ふつうは口周囲の症状だけであり、全身症状を伴いません。

こうした症状をもつ人の多くは、花粉症の体質を合わせ持っています。

実は、免疫システムにとっては、花粉と果物のタンパク質の違いは見分けにくいのです。ある花粉に対して抗体を過剰につくる(つまりアレルギー反応を起こす)免疫システムは、それと似た構造の果物が入ってきた時にも、同じように過剰に抗体を作り出してしまいます。

このため、果物にアレルギー症状を示すことを、花粉・果物症候群と呼びます。

どの果物で症状があらわれるかは、どの花粉に抗体反応を起こすかによって決まってきます。例えば、ブタクサ花粉に対する抗体が多ければメロン、スイカ、バナナなどに反応します。シラカバ花粉に対する抗体が多ければ、リンゴ、サクランボ、モモ、キウイ、マンゴーなどに対して反応を起こします。

花粉・果物症候群を引き起こすタンパク質は、熱や消化で分解されやすいので、加熱すればたいていは食べられるようになります。ただし、稀にアナフィラキシーショックを起こすほど強いアレルギー反応を起こすことがあるので、赤ちゃんや子どもの摂取にはとくに注意が必要です。

 

ラテックスアレルギーと果物への強いアレルギー反応の関係

赤ちゃんや小さな子どものうちは、あまり関係がないかもしれませんが、子どもが大きくなってから身近な問題がなることがあるラテックスアレルギーについて説明しましょう。

ラテックスとは、英語で天然ゴムのことを指します。天然ゴムは、ゴムの木から抽出して作られています。

花粉やハウスダストのアレルギー発症と同じように、接触する量や頻度が多いことが天然ゴム(ラテックス)へのアレルギー反応を引き起こすことにつながります。

身近なところで使われる天然ゴム製品といえば、ゴム手袋です。そのため、職業柄毎日のようにゴム手袋を使用する外科医、歯科医、看護師などの職業につく人が、ラテックスアレルギー体質になることが多いようです。

花粉アレルギーと同じように、ラテックスアレルギーは構造の似た果物に対する抗体反応を引き起こすことがあります。この現象を、ラテックス・フルーツ症候群と読んでいます。

ラテックス・フルーツ症候群に関係する果物には、アボカド、バナナ、キウイ、パパイヤ、イチジク、メロン、マンゴーなどがあります。

ラテックス・フルーツ症候群の主な原因となるタンパク質は、加熱や消化でも分解されにくい性質を持ちます。また、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。そのため、アレルギー症状を起こさないためには、食べないようにすることが肝要です。

子どもや自分に花粉アレルギーがある場合は、ゴム製品の使用頻度について気をつけた方がよいかもしれません。