人見知りは、自然な発達過程である

生後6ヶ月前後の赤ちゃんは、いつも一緒にいるママやパパ以外の人に顔を覗き込まれると、怖がって泣きます。これを人見知りといいます。

人見知りの程度には、個人差があります。この世の恐怖とばかりに大泣きをする赤ちゃんもいれば、ちょっとびっくりしたように固まるだけという赤ちゃんもいます。そのときの機嫌や環境によっても、知らない人への反応は異なります。

人見知りは、対人面や認知面の発達と密接な関係があります。

ここでは、なぜこの時期に赤ちゃんが人見知りをするのか、また人見知りの有無が問題となるのはどういった場合かについて説明しましょう。

 

愛着関係の形成

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだママやパパを個別に認識することができません。生後2ヶ月に入る頃から、もっとも一緒にいるママの顔を記憶できるようになります。

お腹が満たされる時や腕の中に包まれて安心する時、いつもあるのがママの顔です。この体験の繰り返しを通して、心地よい状態とママの顔が赤ちゃんの中で結びつきます。

つまり、赤ちゃんにとってママの顔は、心地よい状態や安心感をもたらす象徴となります。このようにして、赤ちゃんはママに対して、愛着関係を築きます。

ママへの愛着関係を基本として、パパやおじいちゃんおばあちゃん、保育園の先生など、ふだんよく接する人にも徐々に愛着関係を広げることとなります。

 

ボディーイメージの認知

生後6ヶ月ごろになると、赤ちゃんは自分のボディーイメージを完成させます。

ボディーイメージとは、手や足を自分の一部と認識し、自由に動かせる感覚を指します。ちょうど寝返りができ、えびぞりのポーズをしたり、ずり這いが出来るころです。

この段階ではじめて、身体を単位とした人間を赤ちゃんは認識できるようになります。つまり、自分と他人との境界線が生まれます。

自分の名前を認識できるようになるのも、ちょうどこのころです。また、ママ、パパといったように、他の人や物に名称があることも理解します。

ボディーイメージが完成するまでは、抱っこされて心地よい時に、目の前に見えているママの顔と抱っこする手とは、つながっていませんでした。しかしボディーイメージができあがると、赤ちゃんはママが自分を抱っこしてくれていることがわかります。

このように、世の中を認知する力が急速に発達します。

 

ママを認識できるから、ママではない人が怖い

このように、ママを認識できるようになったからこそ、ママではない人も認識できるようになります。知らない顔は、安心できる感覚とは結びついていないので、赤ちゃんは不安にかられます。

この時期に知らない人に近づかれたり、抱っこされそうになったりしたときに泣くのは、このためです。これがいわゆる人見知りです。

赤ちゃんにとって、まだ世の中は知らないものやわけのわからないことでいっぱいです。だからできるだけママのそばで安心した気持ちでいたいのでしょう。

 

人見知りの程度には個人差がある

知らない人に会って大泣きをする場合は、赤ちゃんが人見知りをしているとがわかりやすいですが、泣かない赤ちゃんの場合は判断に迷うでしょう。泣かないと人見知りをしていない、とは限りません。

知らない人に会った時の、赤ちゃんの反応をよく観察してみましょう。

まず、相手の目を見て、安心できる存在かどうか値踏みするような間があります。この瞬間は、表情がやや緊張しています。そしてママの様子から、安心できるかどうかを判断する情報を得ようとします。

ママがやさしく微笑んだり、「だいじょうぶだよ。こんにちはしてごらん」など安心できるトーンで話しかけることで、赤ちゃんは相手がどうやら自分に危害を加えることはないらしい、と感じます。相手が自分に笑いかけたりする様子からも、安心できるかどうかを見極めます。

相手が怖い存在ではないと判断できた時点で、赤ちゃんはにっこりと笑顔になります。

このように、一瞬のうちに赤ちゃんなりに相手についての情報を得て判断をしている様子があれば、人見知りをしていると捉えます。

私の娘と息子も、このようなタイプでした。人が大好きで、出かけるとあちらこちらで愛想を振りまいていたので、一緒に連れて歩くのが楽でとても助かりました。

反対に、話しかけられたり近づかれたりした際に大泣きする人見知りの強い赤ちゃんのママは、お出かけが大変だと感じてしまうかもしれません。しかし、赤ちゃんが泣くからといって家にこもっている必要はありません。

ママの気分転換も大切ですし、日用品の買い物もあります。赤ちゃんが泣いてしまったら、「知らない人だったから、びっくりしたね。でも大丈夫だよ。ママがそばにいるよ」と声かけしながら、安心させてあげましょう。この繰り返しの中で、赤ちゃんは少しずつ世界を広げていくことができますよ。