1才ごろまでの断乳は実行しやすい

子どもの年齢が1才ごろ(少し幅を持たせれば、1才2ヶ月ごろ)までに行うのであれば、断乳は比較的スムーズなことが多いようです。

その理由としては、まだ子どもの自己主張をする力がそれほど育っていないことや、与えなければおっぱいの存在を3日程度で忘れてしまうことが挙げられます。

反対に、自分の意志がしっかりと芽生え、自己主張を言葉や指差しでするようになる1才半以降の断乳は、子どもが納得した上で行う必要があります。おっぱいとのお別れを納得できる時期は子どもによって異なりますが、だいたい3才ごろには「赤ちゃんみたいで恥ずかしい」と自分で思うことで、飲まなくなります。

しかし、おっぱいへの執着が激しく、3~4才になってもおっぱいを飲みながら眠りにつく子もいます。もともとは子どもが自然と卒乳するのを待つつもりでいたママも、さすがにこの年齢になっても授乳しなくてはならないことに大きなストレスを感じていることは少なくありません。

このぐらいの年齢になると、もういい加減おっぱいをあげるのをやめたいとママは思いつつも、本人が納得しないので仕方なく与え続けているケースが多いようです。このように、タイミングを逃すと断乳問題は長期戦になる可能性があります。

こうした理由から、どうせ行うならママにも子どもにも負担の少ない1才ごろに断乳をしようと決めるママは少なくありません。

 

断乳は、可哀想なのか?

しかし断乳をしたいと思いつつ、親の都合でおっぱいをやめさせるのは可哀想な気がしてしまい、決断ができないという話をよく耳にします。

1才前で断乳を決断する場合、子どもはまだ赤ちゃんっぽさがたくさん残っているので、そう感じるのも無理はありません。

しかしほんの2〜3ヶ月後には、立って歩いて指差しをして、さらには立派に自己主張をするようになります。そこまで成長してからの断乳は、子どもの気持ちを巻き込みながら実行しなければならない大変さがあります。

気持ちに迷いがある場合は、そもそもなぜ断乳をしたいのかを明確にしましょう。

断乳をする理由は、ケースバイケースですが、主に以下のような理由があります。

1) ママの体調不良で、母乳を与えることが負担になっている

2) 次の妊娠を希望している

3) 職場に復帰する

4) 食事を食べるようになってほしい

では、それぞれの理由で断乳をすることのメリットを見てみましょう。

1)の「ママの体調不良」が理由なのであれば、断乳をすることで明らかにママの身体的な負担は軽減されます。

ママの身体が楽になれば気持ちも前向きになれ、毎日の育児に笑顔が増えるでしょう。これは子どもにとってもよい環境変化です。

2)の「次の妊娠」が理由だった場合はどうでしょう。断乳をすると、母乳を分泌するためのホルモンに替わり、排卵や妊娠継続のためのホルモンが分泌されるようになります。授乳を続けながら妊娠をするケースもありますが、一般的には授乳をやめた方が妊娠率や妊娠継続率が上がります。

兄弟が増えることで家族がにぎやかになり、日中の遊び相手が増え、子どもにとってもよりよい環境となると言えますね。

3)の「職場復帰」が理由なのであれば、経済的な余裕が増えることが子どものため、そして家族のためとなります。ママ自身の気持ちの充実感といった側面もあるでしょう。ママの気持ちが安定していると子どもへもよい波及が起こり、最終的にやはり家族のためとなります。

4)の「子どもが離乳食を食べるようになること」が理由なのであれば、おっぱいを飲まないことで自然と食欲が増します。体重が増えることで子どもの体力がついたり、空腹を感じる朝まで寝るようになったり、毎回の食事がママと子どものストレスでなくなったりするでしょう。

ほかにもあるかもしれませんが、だいたいこのような感じでしょう。

このように見ていくとわかりますが、断乳がどんな理由であるにしろ、最終的にママと子どもにとって、ひいては家族にとって良い状態となるための決断です。

同時に、今のまま授乳を続けた場合のデメリットを考えてみましょう。

1)の「ママの体調不良」が理由の場合、授乳が体力的な負担となっている状態が改善されません。心身の余力がないと育児を楽しむ余裕はなくなってしまい、結果的に子どものことを必要以上に怒ってしまったり、きちんとした食事を作ってあげられなくなったりしてしまいます。

2)の「次の妊娠」が理由だった場合は、排卵や妊娠継続の確率が下がると考えられます。

3)の「職場復帰」が理由の場合はどうでしょうか。離乳食が軌道に乗る前であれば、子どもに粉ミルクの味や哺乳瓶を慣れさせるか、ママが毎日母乳を搾乳して保育園へ持っていく大変さが発生します。夜間も授乳するのであれば、昼間仕事をして休み暇のないママの体力的な負担が心配されます。

4)の「子どもが離乳食を食べるようになること」が理由の場合は、おっぱいによってお腹が満たされてしまう分だけ、食事を摂る意欲が生まれづらいといえます。

ほかにもあるかもしれませんが、おおよそこのようなデメリットが挙げられます。

このようにまずは自分がなぜ断乳をしたいと思うのかの理由を明確にし、メリットとデメリットを書き出してみてください。

断乳をして目的だった環境を手に入れた状態で育児をするのと、断乳中の数日間子どもが泣くのがかわいそうだからという理由で今の状態を続けるのと、どちらがよりママと子どもにとってよいでしょうか?

ひとつのやり方や考え方、気持ちに固執してしまうと全体像が見えなくなってしまいます(この場合は、断乳中に子どもが泣くのがかわいそうだという気持ち)。

一度一歩ひいて、こうして客観的に状況を見てみましょう。そうすることで「この状況をトータルで考えると、なにが一番賢い選択か」がわかるはずです。

育児ストレスを溜めないためには、このように全体像で捉え、全体がうまくまわるようにするにはどうするかを基準に考えることがとても大切です。

 

気持ちのケアをすれば子どもは大丈夫

たしかにおっぱいの存在を忘れるまでの数日間、子どもは「いつもあったものがない!どうして!」と言わんばかりに泣きます。

でもこうした断乳中の子どもの悲しみや怒りには、充分なスキンシップをはかりながら

「おっぱいをあげなくてもあなたのことが大好きだよ」

というメッセージを伝えつづければちゃんと解消できますので安心してくださいね。

具体的には、子どもの気持ちに寄り添う声かけや愛されてる実感につながるスキンシップ遊びをいつも以上にしてあげてください。

子どもの心は柔軟で、つらいことが起きても乗り越える力をちゃんともっています。その力を信じることができると、育児はぐっと楽になりますよ。